読むこと
仕事上、人が本や雑誌、新聞を読んでいる姿をたくさん目にします。
食い入るような姿勢で、物語に引き込まれていく姿。
本棚とにらめっこして、選んだ本を丁寧に開く姿。
神妙な面持ちで、じっくり、ゆっくり、新聞をめくる姿。
私は常々、その姿を美しいと思っていました。
誰も立ち入ることのできない、その人だけの世界があるのです。
写真の本は、スケッチと写真でその姿と世界を切り取り、封じ込めています。
『読む人』はタイトル通り、読む人をスケッチした本です。
姿勢、視線、表情、指のかたちや置き方、本との距離。
こういう人いる!こんな読み方もあるのか!と面白い発見ができます。
自分の読んでいる姿はどう見えているのか、知りたくもなります。
ちなみに、この本とは岡山の倉敷にある蟲文庫で出会いました。
『読む時間』は、ページをめくるたびに読む人が愛しくなります。
私は、写真ははっとした瞬間をとらえて、その空気を切り取るものだと思っています。
この本にはそんな瞬間がたくさんつまっています。ユーモアもたっぷり。
巻頭にある谷川俊太郎さんの詩も、読むことをみずみずしく表しています。
書いていたら読みたくなってきたので、今日はここまで。