読むこと

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左『読む人』(林哲夫 みずのわ出版) 右『読む時間』(アンドレ・ケルテス 創元社

仕事上、人が本や雑誌、新聞を読んでいる姿をたくさん目にします。

 

食い入るような姿勢で、物語に引き込まれていく姿。

本棚とにらめっこして、選んだ本を丁寧に開く姿。

神妙な面持ちで、じっくり、ゆっくり、新聞をめくる姿。

 

私は常々、その姿を美しいと思っていました。

誰も立ち入ることのできない、その人だけの世界があるのです。

 

写真の本は、スケッチと写真でその姿と世界を切り取り、封じ込めています。

 

『読む人』はタイトル通り、読む人をスケッチした本です。

姿勢、視線、表情、指のかたちや置き方、本との距離。

こういう人いる!こんな読み方もあるのか!と面白い発見ができます。

自分の読んでいる姿はどう見えているのか、知りたくもなります。

ちなみに、この本とは岡山の倉敷にある蟲文庫で出会いました。

 

『読む時間』は、ページをめくるたびに読む人が愛しくなります。

私は、写真ははっとした瞬間をとらえて、その空気を切り取るものだと思っています。

この本にはそんな瞬間がたくさんつまっています。ユーモアもたっぷり。

巻頭にある谷川俊太郎さんの詩も、読むことをみずみずしく表しています。

 

書いていたら読みたくなってきたので、今日はここまで。